2014年6月4日水曜日

めずらしいかけ算

学生がちょっとかわった掛け算の方法を見つけてきた.
結構,面白いので紹介します.下にあげた書籍に出ているそうです.

以下の手順で進めます.下のは 37 x 43 の場合.
1.A を 2 で割って商を下に書いていく.余りはいらない.
2.B を2倍して積を下に書いていく.
3.A が 1 になるまでこれらを繰り返す.
4.A が偶数のところを線を引いて消す
5.残ったBを一番上から全部足すと答えがでる.

A    B
37 × 43
18    86
9    172
4    344
2    688

1    1376
----------
    1591

もちろん,こんな面倒な方法を使って計算する必要はありません.
ポイントはなぜこれで求められるかです.
ヒント:二進法展開.3で割って,3倍する場合は?

大須賀康宏 編著 (1982). 『楽しく学べる算数ゲーム・パズル』,東洋館出版社.

2014年6月2日月曜日

コーヒーとミルク,どっちが多い?

久々の更新です.

PRIMAS (http://www.primas-project.eu/) という数学・理科の教師教育関係のヨーロピアンプロジェクトがあって,その成果物に色々な教材,実践事例が出ていました.その中で面白いなと思ったものがあったので紹介します.日本では中1の文字式あたりの問題になります.

コーヒーとミルクが同じ大きさのグラスに同じ量だけ入っています.

スプーン(お玉でもいいです)でコーヒーのグラスからミルクのグラスへコーヒーをある量だけ移し,混ぜます.
そして,今度は同じスプーンで混ざったミルクのグラスからコーヒーのグラスへ同じ量だけ移し,混ぜます.

さて,ミルクのグラスに入ったコーヒーの量とコーヒーのグラスに入ったミルクの量,どちらが多いでしょうか?


この問題は,子どもたちが協働して探究することを想定したものです.答えがなぜそうなるのかを考える過程で,色々なモデル化の方法が出てきて,算術から代数への移行を促すことを意図したもののようです.やってみてください.

日本でもこのような問題はあるのですかね?ちなみに,今回のは誰のかなと思っていたら,なんと,以前グルノーブルにいて,現在ジュネーブ大学の Jean-Luc Dorier が書いたものでした.確かに,代数学習の関係の研究を結構やっていました.
http://www.primas-project.eu/artikel/en/1066/The+wine+water+situation/view.do?lang=en