2007年6月5日火曜日

Inscribed Angle Theorem

日本語では,「中心角の定理」でしょうか?今日,アメリカの教科書でこの定理を見てびっくりしました.それは次のような定理です.

「円に内接 (inscribed) した角の大きさ (measure) は,切られる弧の大きさ (measure of its intercepted arc) の半分に等しい」

ここでびっくりしたのは,「弧の大きさ」という語です.「弧の長さ」ではありません.そして,「弧の大きさ」とはなんだろうと思って,数ページ前を見てみると,「弧の大きさ」が中心角の大きさで定義されていました.したがって,「弧の大きさ」は 30 度というふうに与えられるのです.

なんか非常に違和感があります,上の定理では,角の大きさと弧の大きさの異種の量を比較していますが,長さと体積を比べているような感じがして非常に気持ち悪いです.弧に長さ以外に別の測度を与える意味はなんなんでしょう?別に必要なら新たな測度を導入するのは構いませんが,どんな必要性から生じたのでしょう?弧度法をうまく導入するための準備でしょうか?

追記(2007/6/6):この定理,台湾人に聞いたら,台湾も弧の大きさ (measure) ってのがあるって言っていました.なんでだろう,もしかしらユークリッド原論では,「弧の大きさ」が定義されているのか?でも,同じ定理を確認してみましたが,「中心角」を使っています(参考:Edited by Todhunter, Introduced by Heath, Book III, Proposition 20).まだ謎です. 

追記(2007/8/21):「弧の大きさ」についてですが,ちょっとわかりました.球面幾何学(特に球面三角法)では,辺の大きさは球の中心角の大きさで表すのです.実際,球面はどれも相似なので,普通の三角法のときの単位円と同様に,単位球のようなもので考えれば十分なのです.すると辺の大きさは角度で与えておいた方が球面で三角法を扱うには便利なようです.とすると,上の米国の円での「弧の大きさ」は単位円に慣れ,球面三角法への布石なのでしょうか?まだちょっとよくわかりません.

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