2007年3月7日水曜日

Postulate って?

アメリカの高校数学では,axiom (公理)と言う語は出てきません.その代わり,postulate という語が頻繁に出てきます.postulate は,日本語では「公準」で,公理と同じだろうと思っていたのですが,どうも違う感じです.というのも,教科書にはやたらと沢山の postulate が出てくるのです.さらに,高校の数学の先生は,postulate は「明らかで証明のいらないもの」程度の認識しかないのです.

例えば,ユークリッド幾何学の「平行線の公理(公準)」が postulate と呼ばれるのは普通だと思いますが,三角形の合同条件も三辺相等などそれぞれの条件が postulate と呼ばれています.合同条件は明らかに公理ではありません.「合同」を定義したらそれぞれの条件を導くことができます.言ってしまえば,定理です.しかし,アメリカ(ミシガン)では,それぞれをその学習段階で証明できないからか postulate と呼びます.

もしかしたら,証明できないものでも,ほかの証明の道具として利用するために axiom ではなく,postulate と言う名称を用いているのかもしれません.

この postulate の利用にはもちろん様々な弊害が生じます.例えば,平行線の公理のように,本来本当に公理であるものがなぜ公理として証明なしで利用するのか(例えば,ユークリッド平面を規定するなど),その理由が忘れ去られてしまいます.なぜならば,ほかの postulate の利用の理由が単にその学習段階で証明できないことにあるからです.

アメリカって変なの.

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